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経産省が策定する新時代の株主総会にはe投票が必要不可欠

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新型コロナの影響下において、早い企業は2月末すでに株主総会の開催を終えています。
そのような中、集団感染を予防すべくネット中継による総会開催を目指した企業も少なくはない、と考えられます。

質疑応答を含め、株主がネット上で参加できる総会の実現を求める声もある。ネット総会は欧米で一般的だが、日本の会社法は開催場所を設けるよう求めており、現時点では事実上認められていない。(後略)
時事ドットコムニュース / 37.5度以上、入場お断り 新型肺炎の拡大阻止へ―株主総会 / 2020.03.06(リンク切れ)

会社法上、株主総会は物理的に株主が集まる場を設ける必要があるとされ、インターネット中継だけの開催は難しい。延期のハードルも高い。上場企業の1割強を占める12月期決算企業の総会が3月に迫るが、各社はマスク配布など感染防止策しか手を打ちづらいのが実情だ。
日本経済新聞 / 新型コロナ対応 株主総会も苦慮 / 2020.2.28

なぜ企業はネット中継による株主総会の開催が困難なのか、どうしたらオンラインによる株主総会が実現できるのか、まずは株主総会の実状に触れながら考察してみましょう。

経済産業省が策定する「ハイブリッド型バーチャル株主総会」とは?

経済産業省が策定する「ハイブリッド型バーチャル株主総会」とは?



株主総会を開催するに当たって、総会会場に株主が集まることと並行してオンライン開催される総会を「ハイブリッド型バーチャル株主総会」と呼称して経済産業省「新時代の株主総会プロセスの在り方研究会」は発信しています。

ハイブリッド参加型バーチャル株主総会 – リアル株主総会の開催に加え、リアル株主総会の開催場所に在所しない株主が、株主総 会への法律上の「出席」を伴わずに、インターネット等の手段を用いて審議等を確認・傍聴 することができる株主総会をいう。

ハイブリッド出席型バーチャル株主総会 – リアル株主総会の開催に加え、リアル株主総会の場所に在所しない株主が、インターネット 等の手段を用いて、株主総会に会社法上の「出席」をすることができる株主総会をいう。
経済産業省 / ハイブリッド型バーチャル株主総会の 実施ガイド(案)

中でも「参加型」と「出席型」の2つに区分されるようです。
参加型と出席型の大きな違いは「出席扱いか欠席扱いか」という部分にあります。

議決権行使書か委任状を提出すれば参加型でも「会社法上の出席」になる。ただし、リアルタイムで質問や同義(議決権行使)ができない。出席型はシステムに個人認証して出席することができる。

ハイブリッド型バーチャル株主総会の法的・実務的論点を整理するに当たっては、インターネット等の 手段を用いた株主総会への関与が法律上の「出席」として扱われるか否かによって、「ハイブリッド参 加型バーチャル株主総会」と「ハイブリッド出席型バーチャル株主総会」に分類して検討することとする。
経済産業省 / ハイブリッド型バーチャル株主総会の 実施ガイド(案)

つまり「参加型」は物理的な欠席(議決権行使や委任状の提出で法律上は出席)「出席型」は総会会場へ足を運んでいる株主と同等の出席として扱われます。
株主総会において、欠席であることは質問や動議などの議決権を行使することができないことを意味します。

バーチャル株主総会のハードル

バーチャル株主総会のハードル



株主総会をオンライン上で行うには、少なくとも3つの項目をクリアする必要があります。

  1. 会社法の縛り
  2. 総会内容の配信
  3. 議決投票の遠隔化

たとえば、あらかじめ議決権を行使した上でバーチャル株主総会に出席しているのであれば、総会中に質問や動議を行うことは可能かと考えられます。
ただし、オンラインによって出席している株主に対してパブリックコメントを受け付けるために窓口を別で設ける必要があるため、一概に「総会の内容をネットで中継するだけでバーチャル総会を行うことができる」とは言い難いのではないでしょうか?

事実、「参加型」のように株主総会の中継内容を傍聴しているだけでは、株主は質問や動議を行うことはできません。

参加型と出席型で総会状況を配信する部分は共通します。しかし、出席型であればリアルタイムで賛否投票や質問が可能な反面、参加型では賛否投票や質問がリアルタイムで行うことができません。

また、電磁的方法による株主総会の開催が会社法や総会開催における規約や定款にどこまで抵触するのか、ということも重要です。

たとえば、バーチャル株主総会のみを開催する場合においても、総会会場を設けなければならないことはご存じでしょうか?

あるいは定款や規約に電磁的方法に関する記載がなければ、そもそもがバーチャル株主総会は開催できません。

「参加型」と「出席型」で必要となるシステムの違い

「参加型」と「出席型」で必要となるシステムの違い



簡単にまとめると、それぞれ以下のようなシステムが必要になると考えられます。

参加型

  • ビデオ会議や動画配信など、総会内容を中継するシステム

出席型

  • ビデオ会議や動画配信など、総会内容を中継するシステム
  • リアルタイムで賛否投票や議決権の行使を受け付けるシステム

参加型と出席型を比較して株主総会開催のハードルに多少の違いがあることが分かります。
出席型よりも参加型はハードルが低くなりますが、出席率の低下も見込まれるのではないでしょうか?

ハイブリッド型バーチャル株主総会における実務上の課題

ハイブリッド型バーチャル株主総会における実務上の課題



では、従来の株主総会とハイブリッド型バーチャル株主総会では実務においてどのような課題が挙げられるでしょうか?

  • 株主本人の個人認証
  • 株主からの質問・動議の取扱い
  • 招集通知の記載やお土産の取扱い

総会会場へ赴いた株主へお渡しするであろうお土産をオンラインで出席された株主へどのように配布するのか、招集通知にバーチャル株主総会の有無や出席方法をどのように記載するのか、はたまた質問や動議は「どうやって」「どのタイミング」で受け付けるのか、など実務上の課題は多々挙げられます。

特に株主名簿管理人が一筋縄では解決できない課題が「出席した人が株主本人かどうか、個人認証する」ことではないでしょうか?

投票システムのノウハウと高いイレギュラー処理能力で株主総会のオンライン化における課題を解決いたします。

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