菅内閣の発足で教育や科学技術の分野でのデジタル化、行政の縦割り、既得権の打破、運転免許証のデジタル化、そして「デジタル庁の創設」などの改革が始まろうとしています。2010年の各党合意案によって選挙運動をSNSやウェブサイトを通じて行う、いわゆるネット選挙の解禁があってからは久しく政治的な分野で大きな改革が行われます。
デジタル庁とはなにか、そして担当大臣に期待されること、何よりもe投票がデジタル庁に期待していることを解説します。
参考
自民党 / デジタル・ニッポン2020 / 2020.6.11(リンク切れ)
Society5.0 に基づいて策定される「デジタル・ニッポン2020」を参考にまとめました。
デジタル庁という分かりやすいネーミングに反して、一体何をする行政機関なのか、と疑問に思われる人も多いのではないでしょうか。
首相はデジタル庁について「官民問わず能力が高い人材が集まって社会全体のデジタル化をリードする組織にする必要がある」と語った。
日本経済新聞 / デジタル庁創設へ基本方針 年内に、首相指示 / 2020.09.23
創設の背景には、新型コロナウイルス(COVID-19)の禍中における行政の低い対応効率が目立ちます。たとえば、コロナ禍に行われた「特別定額給付金」は多くの人の記憶に新しいのではないでしょうか?
マイナンバーカードを所持する人に限定して行われる給付のオンライン申請は、パスワードを紛失する申請者がパスワード再発行のために行政の窓口へ殺到し、結果的に郵便申請の方が早く支給されるという本末転倒な結果に終わっています。このことからも、日本の行政はIT、デジタルに対する認識と姿勢がまだまだ不足していることは明確です。
行政の業務効率を向上させること、そして住民がスマホやPCから行政の手続きをスムーズに行えるようにするには、官公庁のシステムをデジタライゼーションによって一元化するデジタル庁の存在が不可欠になる、と考えられます。
「新しい庁ができたところで、本当に改革は起きるの?」と懐疑的な人もまた少なからずいることでしょう。
大きな組織で新しいことに着手しようとしても、なかなか進展しないことも珍しくありません。
たとえば古い慣習を刷新したり、何かに大きく寄与した実績のある人物であれば、もしかしたら期待が持てるかもしれません。
デジタル改革担当大臣に就任したのは 平井 卓也 氏 であり、同氏は2010年にネット選挙の解禁にもっとも寄与した実績があります。
ネット投票による公職選挙の実施にも明るい視野を持つ人でもあるため、公職選挙のデジタライゼーションに大きく期待できるかもしれません。
特に菅内閣において同氏は情報通信技術(IT)政策担当大臣、内閣府匿名担当大臣(マイナンバー制度)、そしてデジタル改革担当大臣を担当するため、デジタル化に関する造詣は深いのではないでしょうか?
業務の大半がデジタライゼーションされれば対応に多くの人員を割かなくてよくなり、組織のスリム化と情報伝達スピードの向上が可能になります。
集計時間は大幅に短縮され、不明票や無効票は無くなり、行政と住民の双方に大きな利得が生まれます。
何よりも、住民は家にいても、職場にいても、外国にいても投票期間中であれば時間も場所も選ばずに投票が可能になるため、まさしくデジタル田園都市国家の構想通りのメリットと言えるでしょう。
上記の項目で解説した内容というのは、実はe投票がすでに民間で実現し続けてきていることです。
たとえば、e投票をご導入いただいているお客様を例に挙げるとトヨタ自動車労働組合様では約7万人の組合員が投票する組合選挙において集計作業を一瞬で終わらせることで大幅なコストダウンに成功しています。
コロナ禍における昨今においては、中央大学様、近畿大学様のような学校法人、ANA労働組合、ダイキン工業労働組合様、クレディセゾン労働組合様、武田薬品労働組合様などの企業内労働組合など、多くの団体様が総会や選挙のデジタルトランスフォーメーションに注力されています。
e投票は電子投票としては老舗にあたるシステムであり、積み重ねられた経験則によって組織や団体という一個に形成された仮想社会のデジタライゼーションを果たしています。
もしもご自身が所属する団体や組織において、民主的な決めごとがアナログで執り行われている、と感じられたらe投票をお試しください。
デジタル田園都市国家の構想と同じメリットを実感いただけるはずです。