電子投票の導入は、管理会社にどのようなメリットをもたらすか

管理会社の不安を払しょくする

 分譲マンションの総会における投票は、議案の承認や理事の選任など、重要な意思決定の場であります。しかし、従来の紙による投票には、集計作業などの手間や誤りが生じる可能性があるなどの問題がありました。そこで、近年では電子投票の導入が進んでおり、電子投票導入の評価も聞こえています。本記事では、電子投票の導入によって、マンションの管理会社にどのようなメリットがもたらされるかについて解説します。

電子投票の導入によるメリット

総会開催準備の定型化

電子投票の導入により、総会開催準備が定型化されます。従来の紙による投票では、投票用紙の作成や集計作業などが手作業で行われており、手間や誤りが生じることがありました。しかし、電子投票の導入により、投票用紙の作成や集計作業が自動化されます。このため、管理会社は総会に必要な議案書の作成に集中する事ができます。
マンションの登録、区分所有者の登録（部屋番号のみで識別可能）、議決権割合の登録などは、一度登録しておけば変更がない限り毎回利用する事が可能ですので、2回目以降の運用はさらに省力化されます。

総会に関する業務効率の向上

分譲マンション総会での電子投票採用では、端末操作の苦手な方を想定して、一般的に従来の紙投票の運用を残します。
しかし、多くの区分所有者には、スマートフォンやパソコンで回答する方の手間が少ないため、高い確率で電子回答されます。
出欠連絡・議決権行使・委任状提出の電子化により、多くの集計作業が自動化され、催促業務をピンポイントで行う事が容易に可能になります。

回答率の増加

従来方式では、区分所有者が出欠連絡・議決権行使・委任状の提出を行う場合、紙の提出（又は郵送）が必要でした。
しかし、電子投票により、スマートフォンやパソコンからの回答が可能になり、より手軽に参加できます。
このため、回答率が増加することにより、総会において議案の可決条件をクリアすることが容易になり、重要な意思決定を円滑に進めることができます。
特に管理規約の改正や大規模滅失における建物の復旧などの特別決議では、「区分所有者数の3/4以上および議決権の3/4以上の賛成」が可決条件になります。
そのため、回答率のUPは、議案の可決条件をクリアする事に大きく貢献します。

総会当日のスムーズな進行

電子投票の導入により、物理的な総会当日の進行がスムーズになります。従来の紙による投票では、投票用紙の集計作業などで時間がかかり、総会の進行が遅れることがありました。
2号議案の審議の途中で、1号議案の採決の結果が発表されることも珍しくはありませんでした。
電子投票の採用は、ほとんどの集計作業が自動化され、素早く結果を表示させることが可能です。
このため、総会の進行がスムーズになり、議案の承認や理事の選任など、重要な意思決定を迅速に行うことができます。

アンケートの手軽な実施

電子投票の導入により、アンケートの手軽な実施が可能になります。
従来の紙によるアンケートでは、回答者が手書きで回答を行い、回答用紙の集計作業などが手作業で行われていました。
しかし、電子投票により、スマートフォンやパソコンからの回答が可能になり、回答用紙の集計作業などが自動化されます。
特に、文章で回答される形式では、回答者が直接入力を行う為、アンケートの再入力業務が消滅します。
電子投票のメリットにより、アンケートを頻繁に行う事が可能となります。

 区分所有者の意見を正確に把握する

電子投票の導入により、区分所有者の意見を正確に把握することができます。
従来の紙による投票やアンケートでは、回答用紙の集計作業などが手作業で行われていたため、頻繁にアンケートを実施する事は現実的に不可能でした。
電子投票によりアンケート実施のハードルが下がり、管理会社は区分所有者からの意見を正確に把握することがでます。
そのため、重要な局面で区分所有者の意見を反映した意思決定を行う事ができます。

以上が、電子投票の導入によって、管理会社にもたらされるメリットです。
これらのメリットにより、管理会社は、より効率的かつスムーズな総会の開催を実現することができます。
しかし、電子投票には、セキュリティ面や利用する機器に関する問題があるため、管理会社は、電子投票の導入にあたっては、慎重に検討する必要があります。

まとめ 

電子投票の導入によって、より民主的な管理が実現できることも、管理会社にとっての重要なメリットです。
従来は、より声の大きな区分所有者の意見が尊重されがちでしたが、電子投票の導入により区分所有者全体の意見を把握できるため、意思決定の遅延を防止するための重要な取り組みであることがわかります。
管理会社は声の大きな区分所有者のクレーム処理にあたるのではなく、より提案型の業務に重点を置き、より民主的に採決された管理業務を、より効率的に遂行することができます。
以上のように、電子投票の導入によって、管理会社にはさまざまなメリットがあり、総会の運営を効率化し、区分所有者とのコミュニケーションを強化することができます。
電子投票は、分譲マンションの適切な管理を実現するための重要なツールであり、管理会社は、その導入を積極的に検討することが望まれます。

「e投票」マンションシリーズの特徴：　

「e投票」マンションシリーズは、紙と電子のハイブリッド処理を前提とした業務設計。
総会開催準備の定型化により、管理会社は総会業務効率の向上、回答率の増加、スムーズな総会進行、アンケートの手軽な実施を実現します。　
区分所有者には、出欠連絡・議決権行使・委任、会場受付、会場での賛否、アンケートへの参加など快適な利便性をもたらします。
数々の大規模総会の経験から、万全な個人情報保護と利便性を両立させ、マンションシリーズに凝縮。
区分所有者とのコミュニケーションを強化により、マンションのグレードに相応しい円滑な総会を実現します。