ウェブ投票システムに限らず、すべてのシステムは、扱うデータ量の違いにより設計そのものやシステムテストの方法が異なります。
つまり、扱うデータ量の増大するに伴い、データベースに起因する処理速度の劣化が起こる場合、ロジックの問題による処理速度の劣化、あるいは通信の集中による遅延などに対応した、設計とコーディング及びシステムをテストする上での十分なシナリオ作成と実施による確認が必要となります。
ウェブ投票システムにおいてスマホなどの端末から投票が行われた場合のレスポンスは、概ね3秒以内であることが望ましいとされています。
公職選挙や自治体行う住民アンケートなどの数万を超える投票者がいる場合のウェブ投票システムは、数百を対象とするシステムとは異なり実際に起こりうるピーク時のアクセスをはるかに超えた厳しいシステムテストが要求されます。
2007年からの電子投票プロジェクト
2007年にプロジェクトを発足し、2009年に製品発表をした「マンション電子投票サービス」は、スマートフォンが存在しない時代に開発された、日本で初の本格的に利用可能な選挙システムでした。
当時は、ガラ携(こういう言葉もありませんでしたが)のi-modeで動作するシステムでしたが、一般的な選挙に対応するだけではなく、総会開催に伴う出欠連絡・委任・議決権行使や総会会場での受付、そして総会会場での投票までをフルスペックで装備されたシステムでした。
開発されて間もないシステムとは、「使えるが、圧倒的に便利とは言えない」部分が残されています。
テキスト主体のガラ携の通信環境の中で、システムとしてもわずかな実績と経験値しか持ち合わせない状態では、イレギュラー処理に対応しきれず、業務上の手作業が発生する部分がどこかに隠されているものです。
システムの成長は、そのような経験の中からシステムの理念をそのままに、導入していただいたすべてのお客様の意見と要望を吸収して、実運用のシナリオから業務としての利便性を追求して成し遂げられるものです。
現在の電子投票
「マンション電子投票サービス」からスタートし、ウェブ投票システムのスタンダードとなった「e投票(いいとうひょう)」は、現在民間で行われるすべての選挙(従業員代表選出、役員選挙、理事選挙など)、すべての総会(労働組合大会、学術学会総会、マンション総会など)、アンケート(住民アンケート、意識調査など)に対応したシステムに成長しており、最新の通信環境及び端末に合致した製品です。
基本的な業務シナリオだけではなく、これまで経験したいかなるイレギュラーにも対応できます。また、場合によってはお客様の選挙及び総会運営を「標準化」できるしっかりとしたシナリオを装備しています。
電子投票システムの耐久テスト
前置きが長くなりましたが、今回受注したお客様は7万人規模での選挙を実施されます。
その前に実施した耐久テストの一部をご紹介します。
ウェブ投票における選挙の投票期間は、一般的に数日間設けられます。
そのため、実際にアクセス集中は発生しにくいことが、これまでの経験上わかっています。
しかし、耐久テストにおいては、予想を超えるアクセス集中を起こし、その環境下で3秒以内のレスポンスが得られるかどうかを検証します。
これは、1時間に50万件!のアクセス集中を発生させた耐久テストです。
こちらは本番機よりも性能の劣る開発用サーバーでの試験ですが、アクセス集中の状態でも1.6秒(MAX)のレスポンスが確認されています。
さらに、限界点を調べるために、1時間に72万件のアクセス集中を発生させた耐久テストも行っています。
こちらの結果も2.3秒(MAX)と充分に位目標以内でのレスポンスを示しました。
信頼に足る電子投票
「e投票(いいとうひょう)」は、業務要件の側面では充分すぎる性能を持っていますが、さらに利用規模に応じてのテストを繰り返し、安定した投票環境を確保しています。
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