2019年7月21日(日)に行われた参院選挙。
選挙集計で発生したトラブルをネット検索すると、多くのな問題が浮かび上がります。
繰り返される選挙集計のトラブル
【なぜ?参院選、尼崎で投票者数より33票多かった】
事前に把握した市内の投票者数より兵庫選挙区で20票、比例代表で13票多くなるトラブルがあった。22日未明に集計をやり直し、投票者数も改めて点検したが、原因は不明。計33票は「持ち帰り・その他」でマイナス計上して帳尻を合わせ、選挙区、比例代表とも票が多いまま22日午前3時半に開票結果を確定させた。
市長選と市議補欠選挙、参院選の「トリプル選」となった三田市でも、市長選の票数が、投票者数よりも1票多かった。全ての票を数え直すなどしたため、確定が予定より約2時間遅れ、参院選の開票作業にも影響した。
【集計したら2票多い? 大阪で開票トラブル「原因不明」】
21日に投開票された参院選比例区をめぐり、大阪府吹田市の開票作業で、投票数が投票者数より2票多くなるトラブルがあった。市選挙管理委員会は「投票用紙が持ち込まれた可能性も考えられるが、原因はわからない」としている。
【全国ワースト 仙台市選管またミス続出】
1カ所は有権者が投票用紙を投票せず置いていった「置き去り票」に関し、本来は投票者数にカウントするが、誤って1人分減らしてしまったという。
立憲民主党新人の石垣のり子氏(44)、自民党現職の愛知治郎氏(50)の2候補の得票数に誤りが発覚した。石垣氏を222票多く、愛知氏を222票少なく集計していたという。
【参院選比例代表 開票で集計ミス 終了予定から大幅に遅れ館林、藤岡両市】
今回新設された特定枠に入るはずの票が、両市では政党の案分票として数えられていた。総務省の指摘で誤りが判明した。訂正のため、県選管の最終的な開票確定の公表は同5時20分にずれ込んだ。
【参院選で選管ミス続出 緊張感の欠如原因か 秋田】
湯沢市では参院選公示前、既に亡くなった16人、市外に転出して同市で投票資格のない119人の計135人に対し、誤って投票所入場券を送付した。
男鹿市、潟上市、八峰町ではそれぞれ、期日前投票所で投票用紙を1人に2枚交付したとみられるケースが相次いだ。
【参院選で集計ミス 千葉県内4市町 「太郎」違いも 】
いすみ、鴨川の両市は「山本」とだけ書かれた票を同姓の候補者6人で案分する際、山本太郎氏と間違え、山田太郎氏を算定対象に加えた。計算し直すと山田太郎氏は公表された票数より3.855票(両市の合計)減り、山本太郎氏は4.621票増えるという。
神崎町は「山本」票の案分に際し、誤った基礎票で算出した。富里市は国民民主党の田中久弥氏が獲得した25票を集計用パソコンに入力し損ね、無効票にカウントしていた。
集計のトラブルに対しての改善策
選挙集計トラブルに対して、各地の選管ではどのような対策がなされるのでしょうか?
新聞各紙の記事を拾ってみました。
・投開票作業でのミス防止に神経をとがらせている。
・投票用紙の自動交付機125台を購入し、2枚渡しなどのミス防止に努める。
・ミスを根絶する意識の醸成を全職員で図らなければならない。
・基本的な確認作業を怠り、反省している。
・緊張感を持って事務にあたるよう徹底したい。
・原因不明。 精査する。
現在の方式を改めない限り、同様の問題は今後も繰り返されることは、だれが見ても明白でしょう。
瞬時に集計、カウント間違いなし
労働組合や従業員代表選出など、企業内では選挙の電子投票化が進んでいます。
電子投票のシステムは、ホームページのアンケートや、携帯アプリの投票ツールのように簡単な構造ではなく、個人認証・二重投票防止・秘密投票・監査証跡・暗号化・権限機能など、厳格なシステムとして構築されています。
グラフは、トヨタ自動車労働組合での選挙での投票推移表です。
事前の高い投票率目標に対して結果を出すことができました。
利便性の向上で投票者にも好評であり、結果は瞬時に集計され、カウント間違いも発生しないことなどにより、事務局の負担低減が実現できました。。
この規模(約7万人)の選挙となると、公職選挙と同様で、全くトラブルなしという事はありません。
トヨタ自動車労働組合では、部署単位の管理者アカウントを約 4,000人分発行していたのですが、初回の電子投票による選挙という事もありほとんどのアカウントが常時接続させました。その数が、事前の想定を大幅に超えたためCPUの負荷が増大し、各組合員の投票操作のレスポンスが想定していた秒数を超えるアラートが発生しました。
監視チームは、深夜に処理能力の高いサーバーに切り替える事で、利用者に不安を与えない対策が素早くなされましたが、原因は本番運用での想定が甘かった事に尽きます。また、お客様と共同でのユーザーテスト時点でも同規模の人数で行い、様々な要望を組み込んだうえで、負荷状況確認を行っていたため、レスポンスには問題がないと判断していました。
ちなみに、ここで使用された管理者カウントは、部署単位の投票状況を把握するためのもので、各組合員の投票内容は秘匿されています。
今回使用された「e投票」の投票エンジンは、10年前から運用されていますのであらゆる問題点がつぶされています。
また、数々のイレギュラーに対応し続けてきているシステムです。
集計に関しての基本動作で問題が発生する事はまずありません。
今回は、レスポンスの問題が発生た時点でアラートを発生させ、その対処を迅速に行ったことで、対処後のレスポンスは非常に良い状態が確認されました。
選挙を運営するシステムでは、基本動作に問題が無いことが絶対条件ですが、その外にも問題が発生した時の柔軟な対応能力が必要になってきます。
このような経験があると、さらに大規模の選挙が実行されても、大きな問題は発生しないでしょう。
さて、この規模の選挙を、昔ながらの紙運用に戻したいという企業はまずありません。
紙の運用よりも、正確で迅速、公正で公平、簡単で便利。それが電子投票です。
公職選挙への応用の可能性
このように、労働組合、学術学会、従業員代表選出、分譲マンション総会など、民間での電子投票の利用は確実に増加しています。
公職選挙でも、在外選挙人に対する運用は開始されようとしていますが、本格的な動きには至っていません。
しかし、それは難しいことではありません。
例えば、平成31年4月21日 芦屋市議会議員選挙及び芦屋市長選挙での当日有権者数は78,253人。
今回使用した「e投票」では、難なく動作することになります。
もちろん、規模の増大に応じた対応も可能です。
公職選挙で利用するためには、超えるべき法的な問題があります。
しかし、住民意識調査など、選挙を待たずにリアルタイムのアンケートを実行することは、今すぐでも可能です。
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