36協定の改正に伴い、特別条項における残業や休日出勤などの時間外労働には制限が設けられるようになりました。
改正の背景には、長時間労働による過酷な働き方が挙げられます。 一方では「改正で時間外労働に上限規制が付くと困る」という声も多く上がっています。 会社と労働者の双方で、どのような困苦が挙げられるか見てみましょう。
時間外労働に上限規制が付くことで困るのは会社側だけではありません。
Twitterの反響を一部抜粋
残業代が減ったら生活が成り立たなくなる
残業時間が減るのは嬉しいけど、そもそもの給料を底上げしてほしい
Wワークしなければならなくなる
残業代を見込んでいる多くの人は、36協定で時間外労働時間に上限規制が付くことで生活に余裕が無くなることが伺えます。
今後、働き方改革によって会社への賃上げ要求が加速すれば、人件費だけで会社はパンクしてしまうかもしれません。
大手飲食店の店長を例に見てみると、人手不足を補ったりあるいは従業員に時間外労働をさせないために自ら残業しなければならないことも多いでしょう。
(前略)人手が足りない時間は自ら埋め合わせをする。結果、朝9時から深夜0時まで15時間働くことも。(後略)
テレ東プラス / 「もっと働きたい」「会社の奴隷じゃない」残業規制に賛否…「大戸屋」店主の現状から考える:ガイアの夜明け / 2019.12.10
「お店の営業時間を短くする」 「店舗の規模を小さくする」 「管理業務を一元化する」など 仕事量を減らす努力が必要なことは誰の目にも明らかです。
経営陣と現場の大きなギャップを埋めるには、労働組合とまでは言わずとも協議し合える関係を築く必要が
あるでしょう。
プロジェクト単位で仕事をする人であれば「繁忙期に時間外労働の制限がついては困る」という人も少なくはないでしょう。
改正された36協定の特別条項では年6回まで月100時間未満の時間外労働が許されていますが、従来の36協定とは違い月100時間未満では到底時間が足りないことでしょう。
最近は仕事の方法も多様化してきています。 たとえばリモートワークであれば場所を選ぶことなく仕事ができるため、移動時間の削減が期待できます。
あるいはフレックスタイム制(変形労働時間制)を導入することで時間の使い方に選択肢を増やしてみるのはいかがでしょうか?
クリエイティブな仕事をする人は仕事の進捗にムラができることもあるでしょう。 生産性を高めるためには時間を有意義に過ごすことも重要です。
時間外労働に上限規制を設けることで、会社と労働者の双方にそれぞれの苦悩が生まれることが分かります。
時間外労働の上限規制をどうにかする裏技はありませんが、36協定や労使協定を結ぶことで生産効率を上げることの重要性も理解いただけたことかと思います。
これを解決するためには会社側と働く人たちの間で協議し合う関係を築く必要があります。
会社側としては「働く人たちに上限いっぱいまで効率よく仕事を熟して貰えるような労使協定」を、労働者側としては「基本給を底上げしてモチベーションアップに繋げる労使協定」を結ぶことが落としどころとして考えられます。
まずは労働組合のような組織の代表者か職場従業員の過半数を占める代表者(過半数代表者)を選出するところから始めてみてはいかがでしょうか?
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