電子投票と言えば最近は新聞の一面でも目にすることが多くなりました。
「電子投票」と言えば公職選挙のイメージが強いものですが、株主総会や組合選挙、マンションの総会にいたるまで、多数決による決めごとではあらゆる場面で「電子投票」が使われるようになりました。
たとえば、ギャンブルコンテンツでは銀行の口座と連携してスマホやパソコンのWEB上から投票できるシステムがあります。
また、アイドルやご当地キャラクターの人気投票にもネット投票が使われるようになっています。
これらの各場面で使われる電子投票はWeb投票、ネット投票、電子投票など、様々な呼ばれ方をされますが「全て一概に同じ投票機能である」とは言い難いです。
WEB投票、ネット投票、電子投票など、各場面で使われる「電磁的投票」に搭載されている機能や仕組みには確かな違いがあります。
まずは場面ごとに必要な機能を考察してみましょう。
たとえば、政治政党では支援者と議員と一般党員で票の重みを変えられるようにする必要があります。
また、アイドルの人気投票では会場内の全ての人がスマホで投票し、会場内ですぐに集計、会場内ですぐに発表できる必要があります。
このように、投票の場面に合わせてカスタマイズされた電子投票が必要になってきます。
カスタマイズの内容次第では「Webから投票する方法」よりも「ネットを使って投票する方法」の方が優れていると考えられます。
混同しやすい単語ですが、ネットとWebの違いはご存じでしょうか?
パソコンやスマホ同士を繋ぐ回線
ネット上に配置されている物
参考
Webマスターの手帳 / インターネットとウェブの違いとは? / 2019.3.13
つまり、ネット投票とはネット回線で繋がっている人だけが投票できるシステムであり、Web投票とはネット上に配置されているコンテンツから投票できるシステムである、と考察できます。
「単純に名前の呼び方が違うだけで電子投票もWeb投票もネット投票も全て同じじゃないのか?」という声を蔑ろにすることはできません。
電子投票を導入した国として有名なエストニアをはじめとする多くの国では電子投票のことを i Voting と呼称しているようです。
i Voting の他にも i Vote、e Voting、 e Vote など様々な呼ばれ方がネット上では見受けられます。
このことからも「同じ機能の電子投票であってもWeb投票、ネット投票など呼び方が定まっていないだけだ」ということも考えられます。
◆エストニアのeガヴァナンス
参考
e-Estonia / i-Voting(リンク切れ)
Googleトレンド
電子投票にも投票所のタッチパネルから行う電子投票や、スマホのような個人の端末から投票できる電子投票まで様々です。
「スマホやパソコンから投票できる電子投票はセキュリティの脆弱性が問題だ」と言う意見もありますが、実際には従来の投票方法の方がセキュリティは脆弱です。
たとえば「選挙期間中の真夜中に投票箱をすり替えたり盗む人は絶対にいない」と言い切れるでしょうか?
重要なのは、万が一にも不正が行われた時にいつ誰が不正を行ったのかを追跡できることです。
電子投票であれば、監査証跡システムで常に不正を監視することができます。
ここまででWeb投票やネット投票の違い、電子投票がどのような物なのか、ということに触れてきました。
「e投票」は実際にはどのような電子投票のシステムに当てはまるのでしょうか?
e投票のシステムであれば、様々な場面においてカスタマイズが可能です。
ご興味がありましたら、こちらもご参考ください。